システム構成
養液土耕とは、土壌の持っている良さを活用して、作物の生育に合わせ、必要な時に必要な量を潅水施肥する栽培方法です。
潅水施肥システムの構成は下図のとおりです。
原水ポンプなどの水源から順番に「原水フィルター」「減圧弁」「TT液肥混入機」「電磁弁」そして圃場にある「点滴チューブ」などで、TT液肥混入機付近に「液肥タンク」を設置して使用します。
液肥混入機TTシリーズ
液肥混入機は、時間・水量・液肥倍率を入力しておくと自動で潅水をしてくれる、栽培の手助けをする機械になります。
潅水を補助する機能の他にも、オプションで栽培を手助けする様々な機能を備えています。
液肥混入機 TT
(Tractable 扱いやすく&
Trustable 信頼できる)シリーズ
特長
高精度な液肥混入
液肥ポンプにリアルタイムフィードバック制御を採用しているため、安定かつ高精度な液肥注入を実現しました。
多様な履歴データ
原水流量・液肥流量に加え、窒素・りん酸・カリウム・各成分量もデータ表示できるようになりました(OATアグリオ製肥料使用時)。
また、オプション機器を接続することで、これらのデータをPCやスマートフォンに取り込むことができます。
らくらく操作
カラータッチパネルを採用することで、直感的でわかりやすい操作を実現しました。動作状況もリアルタイム表示されます。
- 2台の液肥混入ポンプを搭載しているので、2種類の肥料が混入できます。
- 電磁弁を8台まで制御できます。8系統の区画でそれぞれ水量、肥料の量を変えて栽培ができます。
- 潅水施肥設定を保存できます。過去の設定を呼び出すことで季節ごとの潅水施肥設定が容易になります。
- エラー発生時に対処方法をタッチパネルに表示します。
項目/ モデル |
TT750 | TT1500 |
---|---|---|
電源電圧 | 3相AC200V/220V、単相AC200V/220V/100V(※1) | |
消費電力 | 100W以下 | |
給液能力 | 10~150L/min | 20~200L/min |
混入倍率 | 20~600倍(※2) | |
液肥種類 | 2液混入 | |
原水圧力 | 使用上限0.18MPa | |
系統数 | 8系統(+捨水1系統) | |
防水防塵 | IP44 | |
保存温度 | −10℃ 〜 +70℃ | |
保存湿度 | 80%(60℃時) | |
動作温度 | 0℃ 〜 +50℃ | |
配管口径 | 40A(JIS) |
※1 電源電圧
オプション機器攪拌モータ、電磁パルスポンプ無しの場合、記載すべての電源電圧で動作します。オプション機器追加の場合は適した電源電圧を配線してください。例攪拌モータ3相200V仕様の場合、電源圧3相200Vに合わせる必要があります。
※2 混入倍率
混入倍率は、原水流量の大きさによって変わります。
使用中によくあるトラブルと対処方法をまとめています。
こちらからF/Wをダウンロードしアップグレードする事
で常にTTシリーズを最新状態のF/Wでご使用できます。
TTシリーズに接続するオプション
スマホ等での遠隔操作、環境モニタリング機能、水分量や液肥希釈倍率の自律制御機能の追加で、より効率の良い潅水施肥をお手伝いします。
オプション製品
-
1ゲートウェイ
TT機とUSBケーブルで接続することで、Wi-Fiルータや各センサと無線でつながります。
-
2土壌水分センサ
土壌水分率、土壌EC値、土壌温度を測定します。
-
3温湿度CO2センサ
温度、湿度、二酸化炭素濃度を測定します。
- ②、③の各センサは無線でゲートウェイと接続します。センサは最大64台接続することができます。
- インターネットを利用する場合、固定IPアドレスが必要となり、インターネット接続環境はお客様にご用意いただきます。
遠隔操作
ゲートウェイによりお手持ちのスマホやPCからTT混入機の運転開始や停止、潅水条件変更や設定、履歴データダウンロードなどの遠隔操作が可能になります。
遠隔操作について
- ChromeやSafariなどのブラウザでTT機を遠隔操作できます。
- 潅水量や施肥倍率等をブラウザ上で変更することができ、施肥潅水の記録をダウンロードすることができます。
- 停電や漏水などでTT機に異常が発生した場合でもエラーメールで通知されます。
環境モニタリング
環境情報をモニタ、グラフ化、データダウンロードが可能です。
センサ通信は920MHz帯無線通信採用で煩わしい配線も不要、設置場所の束縛もなくなります。
環境モニタリングについて
- センサは無線でつながるため、設置が簡単です。
- 高温、低温などのアラートメールの設定もできます。
- 期間を指定して温度や湿度等のデータをExcelデータとして取り出せます。
潅水施肥の自律制御
潅水施肥自律制御とは
土壌水分ECセンサ測定値を利用することによりTT液肥混入機の潅水条件を自動的に変更する制御機能です。
センサ値平均値が上下限設定値範囲外になった場合、以下の条件を変更し潅水します。
- 潅水量
- 液肥希釈倍率
潅水条件の微調整や雨等の環境変化にも自動で対応できます。
土壌センサを使って水分と肥料濃度を一定のレンジに保つように自動的に設定を変更します。
例えば、図のように水分%の下限を70%に設定して、増域設定を15%にしておけば、センサ値が70%を下回った場合に次回の給液量が15%自動で増えます。