養液土耕栽培
とは?

養液土耕栽培システムは、液肥混入機と点滴チューブおよびその周辺部材からなり、正確に設定された養水分を作物の株元へ自動で施用します。

  • 原水フィルター
  • 減圧弁
  • 液肥混入機
  • 液肥タンク
  • かくはん機
  • 電磁弁
  • 点滴チューブ

何時に、区画(系統)あたり何リットル(もしくは何分間)、何倍希釈で、の3つを設定(入力)すれば自動的に施肥潅水ができます。

養液土耕栽培の特長

省力栽培

元肥の施用を必要としないため、定植までの作業が楽になります。
定植後の施肥潅水も液肥混入機で行うので大幅に労力が軽減されます。

元肥の施用を必要としないため、定植までの作業が楽になります。
定植後の施肥潅水も液肥混入機で行うので大幅に労力が軽減されます。

環境にやさしい
合理的施肥

養液栽培の考えを取り入れ、土壌溶液あるいは土壌の水抽出液の肥料濃度をECメーターで測定し、栄養状態を数字で把握することで、常に最適な状態に肥培管理することができ、養水分の過剰施用を回避します。

養液栽培の考えを取り入れ、土壌溶液あるいは土壌の水抽出液の肥料濃度をECメーターで測定し、
栄養状態を数字で把握することで、常に最適な状態に肥培管理することができ、養水分の過剰施用を回避します。

ノンストレス
栽培技術

必要な時に必要な量の養分と水を与える栽培であるため、過剰施肥によるストレスが回避できます。また、肥料は純度の高い養液土耕栽培専用肥料を使用しますので、塩化物などの蓄積による塩類ストレスが起こりません。

必要な時に必要な量の養分と水を与える栽培であるため、過剰施肥によるストレスが回避できます。また、肥料は純度の高い養液土耕栽培専用肥料を使用しますので、塩化物などの蓄積による塩類ストレスが起こりません。

低コスト栽培

現在栽培している土壌を用いて栽培するので、液肥混入機とその周辺機材だけのわずかな投資で導入でき、収益性の高い経営が可能となります。

現在栽培している土壌を用いて栽培するので、液肥混入機とその周辺機材だけのわずかな投資で導入でき、収益性の高い経営が可能となります。

そろった生育

精度の高い液肥混入機と給液ムラのない点滴チューブを用いるため、作物はムラのない揃った生育となり地上部管理が楽になります。

精度の高い液肥混入機と給液ムラのない点滴チューブを用いるため、作物はムラのない揃った生育となり地上部管理が楽になります。

養液栽培や慣行の
土耕栽培との違い

養液栽培との違い

  • 土を使うので、耕耘・畝立てなどの作業が必要です。
  • 土の緩衝作用で、養液の管理が容易です。
  • 液肥混入機は既存のハウスに設置できるため、栽培ベッドが必要ありません。
    (養液栽培より低コストで導入可能です)

土耕(慣行)栽培との違い

  • 潅水と施肥が自動化されるので、これらの作業から解放されます。
  • 液肥を毎日少しずつ与えるので、作物が早く生育します。
    養液土耕栽培は省力化を図りつつ、高効率生産を実現できます。
養液栽培 養液土耕栽培 慣行(土耕)栽培
潅水 毎日少量多潅水 毎日少量多潅水 週に1~2回程度
灌水作業 自動 自動 手作業
元肥 施用なし 少量施用 大量施用
追肥 毎日少しずつ 毎日少しずつ 月に1~2回程度
施肥作業 自動 自動 手作業
生育揃い 揃う 揃う 場所によりばらつく
収量 多い 多い 普通
土壌病害 少ない 慣行より少ない 普通に発生
導入コスト 高価 養液栽培より安価 最も安価

養液土耕栽培のメリット
省力化

  • 潅水と施肥が液肥混入機で自動化されるので、作業時間の大幅な削減
    つながります。
  • 経営にあった栽培面積の維持拡大が可能です。

養液土耕栽培のメリット
減肥 増収

施肥量を減らしても収量が変わらない、もしくは増加するデータが多く存在し、
養液土耕栽培での施肥効率の良さがうかがえます。

減肥・増収効果データ

栽培地 実施区 作物(品種) 作型 窒素施用量(kg / 10a) 収穫期間 収量(t / 10a)
元肥 追肥 合計
群馬県
館林市
慣行区 キュウリ
(シャープ1)
半促成栽培 48 42.8 90.8 2~6月 19.1
養液土耕区 24 31.3 55.3 19.7
愛媛県
野村町
慣行区 キュウリ
(アンコール8)
抑制栽培 66.7 6 72.7 11~1月 6.3
養液土耕区 10.6
福島県
那賀川市
慣行区 キュウリ
(節成り)
夏秋栽培 34.3 58.9 93.2 8~10月 7.7
養液土耕区 34.3 35.9 70.2 8.9
徳島県
鴨島町
慣行区 ナス
(千両1号)
促成栽培 38.9 102.6 141.5 10~6月 14.2
養液土耕区 0 104.9 104.9 14.4
徳島県
徳島市
慣行区 トマト
(ほまれ114)
半促成栽培 35.4 10.7 46.1 2~6月 14.6
養液土耕区 0 29.2 29.2 16.1
香川県
観音寺市
慣行区 セルリー
(コーネル613)
春取り栽培 62.8 53 115.8 3~3月 5.6
養液土耕区 0 46.2 46.2 7.3

第一回養液土耕栽培技術研究会 関東支部会 (平成13年2月23日)
 農学博士 元千葉農業試験場技監 青木宏史 講演資料より抜粋

栽培地 実施区 作物(品種) 作型 窒素施用量(kg / 10a) 収穫期間 収量(t / 10a)
元肥 追肥 合計
茨城県
鉾田地域
慣行区 ピーマン
(みおぎ)
半促成栽培 35 19 54 2~7月 15.9
養液土耕区 1 38 39 17.7
愛媛県
野村町
慣行区 ピーマン 促成栽培 59.4 28 87.4 10~5月 14.7
養液土耕区 1.8 29.5 31.3 16.9
栽培地 実施区 作物(品種) 作型 窒素施用量(kg / 10a) 収穫期間 収量(t / 10a)
元肥 追肥 合計
茨城県
園芸研究所
慣行区 ハクサイ
(優黄)
春ハクサイ 20 20 3~5月 調整重
2.4kg
養液土耕区 15 15 調整重
2.8kg
茨城県
坂東市
慣行区 レタス
(トーホク)
秋レタス 8 8 8~9月 結球重
378g
養液土耕区 7.1 5 結球重
405g
養液土耕区 7.1 5 結球重
454g

JAグループ茨城 県域営農支援センターアグリ開発課資料
 No.3(平成19年12月)