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隔離栽培や高設栽培に最適!

タンクミックス®シリーズ

画像:タンクミックスA
画像:タンクミックスF
画像:タンクミックスSA
画像:タンクミックスB
タンクミックス®はOATアグリオ株式会社の登録商標です。

タンクミックスシリーズが必要な理由

1タンクミックスシリーズと土耕栽培用肥料の違い

隔離栽培に求められる肥料性能
  1. (1)すべての成分が水溶性で、植物がすぐに利用できるもの
  2. (2)隔離栽培は土壌微生物の働きが期待できないので、窒素形態は主に硝酸態窒素で構成され、 若干のアンモニア態窒素を含むもの
  3. (3)カルシウム、マグネシウムおよび微量要素を豊富に含むもの
土耕栽培で使われている肥料
  1. (1)土壌微生物の働きや土壌の緩衝能力が期待できるため、有機態や分解を要する成分でもよい
    (例:元肥、すぐに肥効は現れないが、長く効く)
  2. (2)液体追肥も利用でき、窒素形態は尿素主体のものが多い
若葉の飾り

隔離栽培用肥料(タンクミックスシリーズ)と土耕栽培での大きな違いは
窒素の形態(図)

(図)土壌中の窒素の形態変化

有機態窒素などは土壌微生物の働きによりアンモニア態窒素や硝酸態窒素などの植物が吸収できる形に変化するので、土壌がある栽培では有機態や尿素態窒素を利用することができます。しかしながら微生物の少ない水耕栽培や隔離栽培では、硝酸態窒素やアンモニア態窒素を直接供給する必要があります。
また、カルシウムや微量要素は土壌に多量に存在する(土壌改良資材や堆肥で供給されている)ため、土耕栽培ではこれらの施肥量をあまり気にする必要はありませんが、養液栽培や隔離栽培ではしっかり供給する必要があります。

矢印下
タンクミックスシリーズは窒素の大部分が硝酸態窒素で構成されており、
カルシウムや微量要素も養液栽培用肥料と同等程度含んでいるため、
培地量の少ない隔離栽培(養液栽培)に適した肥料といえます。
2液式の養液栽培肥料と比較しても遜色ない肥料成分組成です。

全窒素を100とした場合の処方比較

処方名 窒素
(AN/NN)
リン酸 加里 苦土 マンガン ほう素 亜鉛 モリブデン 石灰
(Cao)
タンクミックスA&B 100 (4/92) 50 142 27 0.69 0.69 0.77 0.01 0.03 0.01 85
ハウスA処方 (養液栽培処方) 100 (9/90) 46 156 23 0.58 0.58 1.04 0.01 0.03 0.01 88
養液土耕1号 100 (-/57) 53 113 7 0.67 0.67 1.33 - - - 40
AN:アンモニア態窒素、NN:硝酸態窒素
タンクミックス肥料は養液栽培用処方とほぼ同じ割合の窒素形態です。
土耕栽培用の養液土耕1号に含まれる窒素の約4割は尿素で、尿素は土壌微生物によってアンモニア態窒素を経て硝酸態窒素に変化します。
タンクミックス肥 料のカルシウム量も養液栽培用肥料とほぼ同等量が配合されています。

2タンクミックスシリーズと養液栽培用肥料の違い

タンクミックスシリーズは植物が必要する成分を1液の原液に作成することができます。
一方、養液栽培肥料は基本的に2液の原液を使用して、両原液を同量ずつ希釈して培養液を作製します(写真)。

1液であるため液肥混入ポンプが1台で管理でき、システムの導入コストを下げることができます。また、2つの液肥ポンプを使用していると、肥料の片減り(1号タンクと2号タンクの液肥消費量が違う現象)がみられることがありますが、1液の場合その心配はありません。
2液式養液栽培システム
2液式養液栽培システム

3隔離栽培とpHの安定

タンクミックスシリーズを発売する以前は、2液給液システムを持たない(養液栽培装置を持たない)隔離栽培には当社製品の養液土耕シリーズの使用を推奨していました。
養液土耕シリーズは窒素の約半量が硝酸態窒素で構成されている肥料で、土耕栽培の追肥として広く使用されています。
養液土耕シリーズを使用すると、培地内や排液のpHが低下する現象がみられ、時には培地内のpHが4を切ることもありました。これは養液土耕シリーズに含まれる尿素が培地内でアンモニア態窒素に分解され、アンモニア態窒素の形態で植物に吸収されることで起こる現象と考えられ、pH低下だけでなく、トマトの尻腐れ果やイチゴのチップバーンの発生などの問題がありました。

タンクミックスシリーズは窒素の約90%が硝酸態窒素で構成(タンクミックスSA&Bは約97%)されており、アンモニア態窒素吸収によるpHの低下を防ぐことができます。

窒素の吸収植物は根による陽イオンの吸収に伴って、H+イオンを放出し、陰イオンの吸収と同時にH+イオンを取り込むと考えられています。
アンモニア態窒素を吸収するとH+が放出され根域のpHが下がります。
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム以外にも尿素でもpHが下がるのはこのためです。

(補足)
土壌pHの低下はアンモニア態窒素の硝化作用によっても起こります。アンモニアから亜硝酸を経て硝酸に至る反応式をまとめると、NH4+ + 2O2 → NO3- + 2H+ + H2O このように表され、硝化作用によってH+が放出されることが分かります。
これらの反応は、硝酸化成菌が豊富に存在する土壌中でみられる現象であり、湛液水耕栽培やロックウール栽培などの養液栽培(隔離栽培)においては、根圏に硝酸化成菌がほとんど存在しないため、硝化作用によるpH低下の影響は少ないと考えられています。