隔離栽培や高設栽培に最適!
タンクミックス®シリーズ
隔離栽培や高設栽培に最適!
タンクミックス®シリーズ
有機態窒素などは土壌微生物の働きによりアンモニア態窒素や硝酸態窒素などの植物が吸収できる形に変化するので、土壌がある栽培では有機態や尿素態窒素を利用することができます。しかしながら微生物の少ない水耕栽培や隔離栽培では、硝酸態窒素やアンモニア態窒素を直接供給する必要があります。
また、カルシウムや微量要素は土壌に多量に存在する(土壌改良資材や堆肥で供給されている)ため、土耕栽培ではこれらの施肥量をあまり気にする必要はありませんが、養液栽培や隔離栽培ではしっかり供給する必要があります。
処方名 | 窒素 (AN/NN) |
リン酸 | 加里 | 苦土 | マンガン | ほう素 | 鉄 | 銅 | 亜鉛 | モリブデン | 石灰 (Cao) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タンクミックスA&B | 100 (4/92) | 50 | 142 | 27 | 0.69 | 0.69 | 0.77 | 0.01 | 0.03 | 0.01 | 85 |
ハウスA処方 (養液栽培処方) | 100 (9/90) | 46 | 156 | 23 | 0.58 | 0.58 | 1.04 | 0.01 | 0.03 | 0.01 | 88 |
養液土耕1号 | 100 (-/57) | 53 | 113 | 7 | 0.67 | 0.67 | 1.33 | - | - | - | 40 |
タンクミックスシリーズを発売する以前は、2液給液システムを持たない(養液栽培装置を持たない)隔離栽培には当社製品の養液土耕シリーズの使用を推奨していました。
養液土耕シリーズは窒素の約半量が硝酸態窒素で構成されている肥料で、土耕栽培の追肥として広く使用されています。
養液土耕シリーズを使用すると、培地内や排液のpHが低下する現象がみられ、時には培地内のpHが4を切ることもありました。これは養液土耕シリーズに含まれる尿素が培地内でアンモニア態窒素に分解され、アンモニア態窒素の形態で植物に吸収されることで起こる現象と考えられ、pH低下だけでなく、トマトの尻腐れ果やイチゴのチップバーンの発生などの問題がありました。
タンクミックスシリーズは窒素の約90%が硝酸態窒素で構成(タンクミックスSA&Bは約97%)されており、アンモニア態窒素吸収によるpHの低下を防ぐことができます。
(補足)
土壌pHの低下はアンモニア態窒素の硝化作用によっても起こります。アンモニアから亜硝酸を経て硝酸に至る反応式をまとめると、NH4+ + 2O2 → NO3- + 2H+ + H2O このように表され、硝化作用によってH+が放出されることが分かります。
これらの反応は、硝酸化成菌が豊富に存在する土壌中でみられる現象であり、湛液水耕栽培やロックウール栽培などの養液栽培(隔離栽培)においては、根圏に硝酸化成菌がほとんど存在しないため、硝化作用によるpH低下の影響は少ないと考えられています。