特長

効果がはっきり見える

資料・実験名のテキスト

散布直後

Immediately after

散布5日後

5days later

黒くなって死んでいます。

スペクトラム

表1 調合油乳剤の殺虫殺菌スペクトラム
病害虫 薬効
ハダニ類 ⚪︎
幼虫 ⚪︎
成虫 ⚪︎
コナジラミ類 ⚪︎
幼虫 ⚪︎
成虫 ⚪︎
カイガラムシ類 ⚪︎a
アブラムシ類 ワタアブラムシ ⚪︎
モモアカアブラムシ
ヒゲナガアブラムシ
サビダニ類 ⚪︎
ホコリダニ類 ⚪︎
うどんこ病 ⚪︎

薬効の記号は社内試験および公的委託試験結果から判断した。
⚪︎: 効果が高い。
△ : 効果はあるが、害虫密度によって十分な効果を示さないときがある。

a : 調合油乳剤としては未登録(2022年10月31日現在)
表2 調合油乳剤のトマトサビダニ・チャノホコリダニ・タバココナジラミの殺虫殺卵活性
供試薬剤 希釈
倍数
補正死亡率(%)
葉片虫体散布処理 葉片虫体浸漬処理
トマトサビダニ チャノホコリダニ タバココナジラミ
雌成虫 雌成虫 1齢幼虫 2齢幼虫 3齢幼虫 4齢幼虫
調合油乳剤 300 100 100 97 58 96 97 97 97 56

天敵・有用昆虫への影響

供試生物 試験結果ª 試験方法 薬量・希釈倍数
チリカブリダニ 成虫 虫体葉片散布法 300倍
第1若虫
ミヤコカブリダニ 成虫 虫体葉片散布法 300倍
第1若虫
スワルスキーカブリダニ 成虫 虫体葉片散布法 300倍
第1若虫
タイリクヒメハナカメムシ 雌成虫 虫体葉片散布法 300倍
雄成虫
タバコカスミカメ 成虫 虫体浸漬法 300倍
2齢幼虫
サバクツヤコバチ マミー 虫体散布法 300倍
成虫 ドライフィルム法
葉片散布後放飼
ナミテントウ 1-2齢幼虫 虫体浸漬法 300倍
4齢幼虫
セイヨウミツバチ 成虫 影響なし 局所施用法 100μg/成虫
いちご苗に散布 300倍
風乾燥後放飼
マルハナバチ 成虫 影響なし 虫体散布法 300倍
カイコ 5齢幼虫 影響なし 食餌混和法 300倍
a 死亡率:◎ 30 % 30 % < ◯ 80 % 80 % < △ ≦ 99 % 99 % < ✕

卵に効く理由

東京農工大学大学院農学研究院生物システム科学部門の鈴木丈詞准教授との共同研究においてサフオイル乳剤を処理したナミハダニの卵では、

  • 1)卵殻に付着した油が孵化直前の卵内に浸入する、
  • 2)卵内に浸入した油によって孵化直前の幼虫が示す回転運動が阻害される、
  • 3)幼虫は孵化できずに卵内で死に至る

ことが判明しました。
また、サフオイル乳剤にはナミハダニの天敵として利用されているミヤコカブリダニに対する殺卵活性はありませんが、 この理由として、両者の孵化行動の違いに起因していると考えられます。

コントロール(蒸留水)

ハダニの孵化行動

90分以内のふ化率︓58%(N=26)

回転しながら卵殻を切断し、
孵化する

サフオイル乳剤300倍

ハダニの孵化行動

90分以内のふ化率:20%(N=41)

眼点が動いているのは確認できるが
孵化はしない
孵化阻害による殺卵効果

カブリダニのふ化

カブリダニの孵化の様子

ハダニ類と孵化様式が異なる
ため、
カブリダニへの影響が
小さいことが推測される

コナジラミの卵に効く理由

残効性

サフオイル乳剤処理区ではハダニ類の食害が抑制され 、産卵抑制も確認されました。
方法:インゲン葉片を薬液に浸漬し処理7 日後にナミハダニ成虫を放虫、放虫5 日後に調査。

水処理区

サフオイル乳剤区(300倍)
食害できないので、痩せて白くなっています。

気温による効果

天敵および有用昆虫に対する影響が小さく、 IPM(総合的病害虫管理)にも適しています。